R.S. Vol.1-4

原案(Story)
Masahiro Ushiyama

脚本 :
Vol.1-2 … Ceruju
Vol.3-4 … Masahiro Ushiyama




【Vol.1「報復」】

(エイジャのアップ)

「私の名はエイジャ。対星間部隊に所属する兵士だ」

(宇宙空間)

「ひと月前、ある惑星で資源探査の研究開発チームが連絡を絶った。その後の調べで、事件は惑星の先住民による襲撃と判明。我々軍部の出動となった」

(巨大艦の全体像から艦内へ)

「私たちに政治的な背景は一切知らされることがない。兵士に必要なものは正確な情報と、優れた指揮官と、信頼できる仲間と、そして銃だ」

(探査船に接近する巨大艦)

「惑星到着後、問題の探査船を回収。船のクルーは無事だったが、地上に降りた調査チームについては・・」

(エイジャが想像する惑星)

「原住民と遭遇したと思われる彼らから、かん高い悲鳴とともに『来るな!』という連絡を受信。それを最後に、彼らの生命維持装置の心拍モニターは、次々と・・停止していった。

(巨大艦。背景に惑星)

「やがて‥我々の報復攻撃が始まった」

(静かな惑星の風景、そこにミサイルが落ちる)
(攻撃を受ける惑星のシーンが続く)

「戦闘開始からたった7日で敵は人口の半分を失った。我々の圧勝だ。だがそれは、戦争と呼ぶにはあまりにも不自然な状況だった」
「なぜなら敵は無抵抗だったからだ」
「町にミサイルの雨が降ろうとも、彼らは一発の弾丸すら撃ち返そうとしなかった」



【Vol.2「疑問」】

(異星人のカットからエイジャにオーバーラップ)

「彼らが降伏すれば、この戦闘は終わる」
「この不気味とも思える状況を前にして、我々は皆、同じ思いに捕らわれつつあった」

(惑星)

「この星には草食動物しか存在しない。自分たちよりも強いものによって、命の危険にさらされることはない」

(コックピット内のエイジャ)

「だとすると、食べる為に争う必要もなく進化してきた生き物たちは、今までに、戦争というものを経験したことがあるのだろうか?」
「答えはノーだ」

(襲撃される異星人の村)

「無抵抗のまま降伏も出来ず、ただ滅びを待つ敵の状況も、こう考えればつじつまは合う」

(惑星上のパワードスーツ)

「やがて、この奇妙な戦闘状況に気づいた兵士の中から、無力な異星人に同情するものたちが現れた」

(巨大艦の中。上官らしき男と話すエイジャ)

「第3小隊が反乱?・・・本当ですか?」
「彼らが裏切るなんて・・・、そんなこと・・・」



【Vol.3「反乱」】

(攻撃艇コックピット内のエイジャ)

「私は反乱の鎮圧を命ぜられた」

(コクピットの中、突然の警報音、赤いライトが点滅。エイジャが息を吸い込み操縦桿を引きエンジンパワーを上げる)

「こちらワイルドキャット。ターゲットより攻撃を受けた」

(回避行動に移る)

「ミサイル2基。接近中。距離800」

(ミサイルが背後に)

「ロックオンされた!」

(警報がミサイルの接近を知らせる。機体を激しく旋回させて回避。機体後方でミサイルが炸裂。エイジャが肉眼で後方を確認)

「2基回避!」

(再び警報。レーダーを見る)

「第2波接近。数を確認中」

(モニターに映る数え切れない程のミサイル)

「なんて数…」

(エイジャは信じられないという表情)

「ウソでしょ。手持ちを全弾発射したなんて‥正気じゃないわ」

(エイジャはこの機体で回避不能なことを悟り、機体本体をおとりに小型艇による離脱を試みるがミサイルの殆どは急上昇をして逃げる小型艇を追尾した)
(夜空に無数の閃光。エイジャは小型艇を捨てパラシュートにより地上へ降下する)



【Vol.4「痕跡」】

(惑星を歩くエイジャ。立ち止まって前方を見る。少し驚いた表情)
(異星人の建築物が現れる)

「まだ無傷の建物が残っていたんだわ‥」

(建築物に進んでいくエイジャ)
(ヘルメット内のヘッドアップディスプレイに『RECORDING』の文字が点灯し、記録をはじめる)

「建物全体が強力な照明で照らし出されている。生命反応はない」

(センサーの脇を通るエイジャ。建物内でロボットらしきものが起動する)

「電力を使っている模様。地熱利用で半永久的な動力と思われる」

(エイジャは建造物の入り口付近まで来る)

「人類に近い文明があるかもしれない。金属反応もある」

(中に入り、天井を見上げて立ち止まる)

「これは‥」

(天井のメカにアルファベットと数字の文字。エイジャは息をのみ、驚き、信じられないといった表情)

「この建物は‥。異星人のものじゃない」
「地球からの移民の施設だわ」



【Vol.5「偽りの攻撃目標」】

(異星の建造物)

「私たちは人類が作った施設を攻撃していた。その痕跡を抹消するため」




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(C)Masahiro Ushiyama