『ポリゴンによる顔ののモデリング』




表情作りはモデリングから始まっています。
自然な表情を作る上でポリゴンの配列が重要だからです。


イメージスケッチを元に正面と側面の絵を描き、
これをFrontとSideのカメラにイメージプレーンとして表示します。
頭の大きさに合わせたcubeを作りテンプレート化して目安にするのも良いと思います。

作り方には個性があり、これが良いというものはないと思います。
こんな作り方をする人もいると思ってください。


まず、ヘソが横向きの球を出します。


片側半分を捨て、顔の側面に当たる部分を平らにします。


あごになる部分を下へ引き延ばします。
基本的な筋肉の流れに近いのでは?と個人的には思ってるのですが…


顔の凹凸を点ける為スプリット・ポリゴン・ツールで分割線を入れます。


分割線を増やしていきますが、必要最小限にするのがこつです。


新たに作った分割線(エッジ)を前後方向に動かして顔の立体感を作ります。


CVポイントを横方向に動かして、おおよその形を作ります。


この段階で、瞼の形と目の大きさを決定する眼球を入れます。

 
顔は片側だけ作って、後で反転コピーする訳ですが、左右表示されてないとバランスをとることが困難です。
Duplicateのオプションボックスを開きX軸のスケール-1を入れ、Geometry Type の Instance にチェックを入れます。


これで虚像のコピーが出来ました。
案の定変な形です。
Instance なので、元のCVポイントを動かすと左右対称に変形します。




形を整え、必要な部分に分割線を入れていきます。


ちょっと怖い顔ですが、口と目の周りは放射線と同心円状に分割線が並ぶようにすると
表情をつけやすくなります。


フタの無い円柱を出します。


円筒を差し込むように首を作ります。




おおよそ形が確定したら先程 Instance 作った虚像部分を捨てます。
ここで頭と首をCombineを使って一体のオブジェクトにします。
面がくっついていないとことは、MergeEdgeToolでエッジを一体化してゆきます。

 
MirrorGeometryにより新たに片面を作り直します。
これは虚像ではなく、一体オブジェクトになります。


このままではまだゴツゴツで荒削りな感じです。


Smoothをかけて分割数を増やしてみます。


Smoothをかけた状態を確認します。
瞼と唇がハッキリしません。


細かい部分の作り込みと微調節をして仕上げてゆきます。
モデリングが完成しました。

いきなり耳が…ですね。
耳作りの説明はは省略しました(^_^;)


モデリングするときのポイント

パース画面のカメラは広角に設定されています
これはシーン全体を見渡す為です

その設定のままで比較的スケールが小さい顔だけをしようとすれば
近くで見ていることになり、モデルが歪んで見えてしまいます

パース画面でデフォルト設定のカメラ
35mmレンズに相当

これを回避する為に小さなものをモデリングすると時は
望遠レンズを使うと形が歪ますに見ることができます

パース画面のカメラを100oレンズの変更




『BlendShapeによる表情』

元のモデリングをコピーして表情付けの作業に入ります。

 
完成したモデルのうちBlendShapeで変形させたいものだけをDuplicate(Copy)します。
瞼の変形をするので、それに追従する睫毛のオブジェクトもグループ化してコピーします。


元のオブジェクトやコピーしたターゲットをレイアー化して、必要ないオブジェクトは非表示にします。


以上の方法で作りたい数の表情のターゲットを作っていきます




表情の全てのターゲットを選択し、最後に表情をつけたい元のオブジェクトを選択します。
Create Blend Shape をすると元オブジェクトに各表情が関連づきます。


Blend Shapeは各スライドバーを動かすことで無段階に変化させ、それぞれの変形も組み合わせて使うことが出来ます。


いくつかのブレンドシェイプを組み合わせた笑い方を見てみましょう。


これは無表情。数とは全てゼロ


ちょっと笑い過ぎ。口を開けたまま笑わせるのは難しいですね。
組み合わせによってこんな笑い方もできるということです。


いくら相手が美人でもこんな微笑まれ方はされたくないです。

このように笑い方も一つではないですね。

いろいろ組み合わせて動かしてください。
意図しない思わぬ表情を見せてくれることもあり、結構楽しいです。

表情作りのコツは、ひたすら観察です。
想像する前に観察。どこでも出来ます。
家を一歩出ればそこはもう資料の宝庫です。


詳しくはGraphicsWorld 2002年3月号を参考にしてください



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