キャラクターの歩行

その場歩行‥身体は移動せず地面が後方に移動してるように見える「その場歩き」のモーションを制作しようと思います



ここでは腕は水平に開いたまま、足の運びと胴体の動きだけを中心に順を追って動きを付けていきましょう

※サンプル動画は動きが見易いようにゆっくりとしたスピードで再生されるように調整しているので、実際の歩行はもっと速くなります


それでは先ず
足を歩幅分、前後に開いて、膝が伸びきらないように上半身を下げてください
それから足をすり足するように水平に移動します

前から後ろへの移動はリニアな一定速度で
後ろから前へ戻る移動は加速〜減速するような動きを付けます

後ろから前へのモーションに足を上げる動きを加えます

上げるときに足首を回転させて、つま先が地面の高さに少し残るようにします

足が着地するとき水平に着くと忍び足のように見えますね

足首の回転を加えて踵(かかと)から着地するようにしましょう

この段階ではベタっとした感じの着地でもいいのでしっかりと接地をさせます
足の着地は踵から着いて、しっかり地面に接地した後、つま先が蹴るように上がる
というモーションになるよう心がけてください

足の運びはそれらしくなってきましたが、上半身が全く動いてないので不自然です

上半身に上下の動きを加えましょう

基本的には足が前後に開いたときは上半身が下がり
身体の真下に足がきたときに上半身は上に上がると考えてください


足の運びは二本の線の上を移動しますが、このように着地してる足はやや内側寄りにして上げた方の足が着地してる足を避けるような動きを加えると更に自然さが増すかもしれません

この作例は大げさにしてるので、横方向の動きはこれよりは控え目がいいと思います

ここまでで身体の上下動で躍動感と重量感がある程度表現できてきました
初歩的な歩行ならばここまで出来れば十分だと思います


ここから先は味付けと考えてください

では更に腰の動きを加えてみましょう
(この例はかなりオーバーに動かしてます)

「足が着地して腰が押される」
骨盤のセンターに上からは体重がかかっています
地面に着いた側の足から骨盤がオフセットで押され
腰が傾くと考えれば解りやすいと思います


腰の動きが加わったせいで足が後ろに行ったところでカクっと膝が伸びきってしまいました
これは注意してください
IKを入れているモーションを付けているときによくなります
足が完全に伸びきらないようにキー打ちには気を付けて、なってしまったときには必ず関節が伸びきらないよう修正しましょう

もう一つ気になるところは
足の着地が強すぎ(急激すぎ)ますね

ここから細かな調節と修正にかかります
ただ、動きの角をとりすぎてしまうと動きが丸くなりすぎて接地感を損なってしまうこともあるので程々に
地面に対しては足は激しくはないにしても衝突してるわけですから

もうちょっと前進する力強さが欲しいところなので
歩くスピードはそのまま、上げている間の足の前後の振りを大きくしてみましょう

このモーションは歩行スピードに対してやりすぎてしまったかも(^_^;

正面から見てみましょう

足の捻りも加えています
ちょっとした演出でリズム感を加えたり、その加減でキャラクターの性格付けにもなったりします

こうやって試行錯誤していくわけですが、改善してるのか悪くしてるのか解らなくなります
頭で考えていても答えは出ません
歩く動作があるムービーなどを見て比較して間違った動作をしていないかチェックを忘れずに
実写を参考にするのは基本です



歩行モーションの順番は足のモーションが終わってから胴体、腕の順にモーションを付けると楽です
手のモーションを足と身体の動きが決まらない内にしてしまうとどこが悪いの発見し辛くなってしまいます

前へ ホーム 次へ